結果発表

第2回小説ショコラ新人賞にご応募いただき誠にありがとうございました。
厳正なる審査の結果、奨励賞・期待賞・キラリ賞を各一人ずつ選出させていただきました。
奨励賞を受賞しました綾ちはるさんの作品「イエスタディを数えて」を、
小説ショコラweb1月号に掲載いたします。
また期待賞を受賞しました尾上セイラさんの作品「2a.m ~海辺のライムソーダ~」を、
後日HP上に掲載いたしますので、ぜひ今後の参考にしてください。


◆受賞作品◆
【大賞】
該当者なし

【佳作】
該当者なし

【奨励賞】
「イエスタディを数えて」 綾ちはる
小説ショコラweb冬号にてデビュー決定!!

【期待賞】
「2a.m ~海辺のライムソーダ~」 尾上セイラ

【キラリ賞】
「ガラス向こうに君を見る」 桂木麻衣子


◆書評◆



総評



前回に比べ、文章を丁寧に書かれている方が多く、全体的にレベルが上がっている印象を受けました。
商業作品の影響をうけているのでしょうか。
今回は同じ日を何度も繰り返すなどの「タイムループ」ものや「SF」ものなどをはじめ、
少し変わった、個性的な設定が多いように思いました。
流行りを意識し、チャレンジするという姿勢は評価できます。

ただファンタジーものなどにも言えますが、自由度の高い設定は、
個性を表現しやすく、自分ですべてを決めることができるという利点がありますが、
読者にわかるように世界観を噛み砕いて説明しなければならず、
設定によってはその説明に多くのページを取られてしまうという欠点があります。
そのうえで萌えや感情表現などを盛り込み、規定枚数以内で完結させるには、
やはり各章のバランスが大事です。
しかしただ完結させればいいわけではありません。
展開にまったく捻りがなく、ストーリーが進むにつれてより浮き彫りになるはずのキャラクター性、
恋愛エピソードなどが犠牲になってしまっていては、せっかくの設定が台無しです。
なぜなら「ボーイズラブ小説」はあくまでも恋愛小説であるためです。
そうならないためには、書きあげた後に各章のページの割合を確認し、
必要に応じて推敲を重ねるようにしてください。

またストーリーの練り込みに関しては、
現代を舞台にしている作品においても無関係ではありません。
特殊な設定がないからこそ人物の丁寧な描写が必要となりますし、
主人公たちの関係性を表すエピソードが必要となります。

***

今回、文章は丁寧に書けており、ページ数に余裕があるにもかかわらず、
意外性や良い意味での裏切りがなく、完結させてしまっている作品が目立ちました。
今一度、応募作品をご自身で見直してみるなど、
より良い作品づくりの努力を続けていってください。
次回のご応募お待ちしております。


奨励賞 ──── 賞金3万円
「イエスタディを数えて」綾ちはる (原稿用紙 144枚)

◆あらすじ◆
十月のある日、大学生の三島冬至は突然交通事故で死んでしまう。
そんな冬至の前に奇妙な老人二人組の死神が現れて、ひとつだけ願いを叶えてくれると言う。
冬至が真っ先に思い浮かんだのは、椿武彦と恋人にならない人生――。
椿と出会ったのはちょうど一年前、その半年後には二人は恋人になった。
冬至にとって、生きてきた中で一番幸せな記憶だったが、椿はどうだろう…。
自分が死んで椿を一人悲しみの中に残さなければならないのなら、いっそ恋人になどなりたくなかった。
それが冬至の願い。死神は人生をやり直したいという願いを聞き入れ、
気がつくと冬至は一年前、椿に出会った日に戻っていた。
人生が重ならないよう、画策するのだが徒労に終わる。
その後も、自分と友達になりたいと言う椿を拒絶する冬至だったが……。

◆評価 B+◆
題材にひねりがあり、読むごとに引き込まれるストーリー展開は圧巻でした。
ある日突然死んでしまった冬至が一度生き返った時に感じる絶望も、
恋人を悲しませたくないという思いだけで恋人の椿を突き放す苦しみも
全編に渡り丁寧に描かれていました。
ただ、冬至が死ぬ前、恋人同士になるきっかけは描かれていましたが、
付き合いだしてからの二人の思い出がほとんどなかったのが残念でした。
また、受・攻の書き分けが不明瞭で、読みながらキャラクターの容姿や口調で
判断していましたが、クライマックスシーンで立ち位置が逆転されてしまい、
せっかくここまで楽しく読んでいた手前、落胆が大きかったです。
物語の要でもある、人生やり直せても生き返ることは不可能という点を、
途中のワンシーンに出てきた椿の飼っていた犬のおかげ…で済まされてしまったのも勿体無かったです。
後半の山場をもう少し練って、丁寧に書くことができればさらに良くなるはず。


期待賞 ──── 賞金1万円
「2a.m ~海辺のライムソーダ~」尾上セイラ (原稿用紙 150枚)

◆あらすじ◆
桂木照彰のタイ旅行は最悪の結末を迎えた。
友人とそれぞれの恋人を連れ来たはずが、元恋人同士だった友人と自分の恋人が寄りを戻し、
日本へ帰ってしまったのだ。
手ひどい裏切りに傷ついた照彰は、恋人が迎えにくるまでは帰らないと、一人タイへ残る決意をする。
だが連絡さえも来ず心が折れかかっていたある日、宿泊先ホテルのオーナーのケンに声をかけられる。
彼もまた長年恋人を待っているのだという。
ケンの懸命な励ましにより、次第に元気を取り戻していった照彰だったが、
突然恋人からの心無い電話に再びどん底に突き落とされてしまう。
そんな照彰をケンは熱い言葉と抱擁で慰め、照彰も彼への恋心に気がつき、
そのまま二人は一夜を共にするのだが…。

◆評価 B◆
クセがなく読みやすい文章です。
恋人に裏切られ傷ついた心情や、揺れ動く気持ちなど、心理描写がしっかりとしているので、
主人公の気持ちに読み手の気持ちを重ねて話に入り込むことができました。
ただ、友人達が必要以上に酷く共感が全くできなかったり、
二人の恋の障害になるであろうケンの恋人のことが簡単に片付けられすぎていたりと、
話を盛り上げるために有効に使えたであろう要素が中途半端になってしまっています。
また、ページ配分も行き当たりばったりで、最後は駆け足で終わり、
ちゃんと終わらせるべき出来事が放りだされていることが気になりました。
しっかりと計画性を持ったページ配分を心がけましょう。
大事な部分はしっかりと、まとめてもいい部分はまとめるなど、
何が大事で大事でないかを見極めてください。


キラリ賞 ──── 賞品5千円分図書カード
「ガラス向こうに君を見る」桂木麻衣子 (原稿用紙 150枚)

◆あらすじ◆
予備校の講師をしている雨宮新は、近所の書店の息子・土井光に突然「付き合って」と言われた。
男子高校生に告白されるいわれのない新は冗談だと思い断るが、
光は新に無理やりいやらしい真似をし、写真を撮って脅してくる。
仕方なく付き合い始めると、光はいたって健全なデートに新を連れ出すだけで、
新が恐れていたような「脅してセックス」という展開には一向にならない。
ようやく新は光が本当に自分を好きなのだと理解し、光は自分が悪人扱いされていたことを知る。
光を意識し始めた新と、誤解にショックを受けた光は次第に疎遠になるが、
光の怪我をきっかけに今度は新が告白をし、二人は結ばれる。

◆評価 B-◆
ストーリー自体はオーソドックスですが、
あらすじからは想像できないようなインパクトのある作品でした。
まずキャラが立っています。生意気で気持ちを伝えるのが下手で、日常生活がめちゃくちゃな光。
お人よしで世話好きで、仕事熱心な新。光の父や藤島など、脇役も味がありました。
WPという競技や光の味オンチ、新の熟女好きなどの小ネタも面白く、
それらを使って自然に恋愛を進めている点が評価できます。
しかしながら、個性の強さが悪い方にも出ています。
例えばキャラクターの外見がやけに具体的に書かれていて、
しかもかなり個性的なので読む人に不快感を与えかねません。
ストーリー上の意味が無いのなら、メインキャラの外見をあまりマニアックにしないことをお勧めします。
また、面白いけれど意味のないエピソードも多いので、取捨選択しましょう。
技術面ではまだまだ未熟です。
文法上の変なクセや、状況説明の分かりにくさが目立ちますので、しっかり文章を磨いてください。


選外作品(B~E評価・以下順不同)


B評価
詩矢あずな「あの夏を遠く離れて」/伊勢原ささら「たったひとつの光」/逢井ノラ「さよならの後に」

C評価
相川あい「アラビアン・ナイト~王子と魔人~」/眞嶋耀子「ウイニング・ラヴ」/一式とりこ「その恋の」/加賀豊野「共生」/高端連「ライオンはつり橋を渡る」/暮野逢「フェルマータの余韻の中で」/颶風玖琳「ハカラメ」/十波ナツ「どれほど君を好きだとか」/那波弘恵「背中に君のぬくもり」/柿本蜜柑「好きになってはいけない」/櫻井なつ「肉食獣の愛し方」/七尾薫生「綺羅星の皇女」/小川愛「Lone some」/亜筒まあ「放っておいてくれ」/八五文子「膚の上の意味のない」/雲維ソラ「リトル バイ リトル」/抹茶小豆「BAD COMMUNICATION」/安達マヒロ「狼の白い背中」/犀川梓「深緋の刻印」/銀次「大事なことが言えなくて」/ふくやまゆか子「家族ごっこ」/瀬戸まこと「隣のくま」/藍咲春夏「レンタル ー僕とおっちゃんの家族契約ー」/高槻知佳「王子様拾いました」/天水由里「春愁もゆ恋」/長井小紫「サードタイムラッキー」/安藤パピコ「読まれない手紙」/ささら菱芽「ライバル」多田むい「いつだって初恋」/羽鳥えりな「宛名のない手紙」/マエダヒロ「こもれびの中で」/清水レイ「桜咲く日」/相沢未来「考えさせてくれないか」/栗賀ちなつ「きらきら星」/アカリ「鏡の向こう」/加納早紀「失恋日和」/馬場かおり「箱庭」/小森美里「純情すぎるあなた」/モリタリモ「ちゅーぺっと☆」

D評価
蔵木ゆい「桜咲く頃に、僕らは出会った」/烏丸比奈妃「雨の日の約束」/安藤パピコ「六日の菖蒲」/蒼木瞳「茜色の温度」/青木那莉「夜は月を愛するか」/真瀬青「リグレット」/大和容子「桃栗3年 彼12年」/墨田佐和「シルバーリング」/高田ゆべし「ぴあす」/音歩「きみと巡る、夏の薫り」/高梨「君に溶けたい」/石杖佳「新しい恋をする。」/佐倉臨「シュート、ロストと僕」/佐枝湊太「Callameria」/小川斐鶴「恋の果て、知らず」/中津ヨキ古「色のない部屋」/直「心に彩り君に鮮やか」/琳黄番「忘れさせてレイニーブルー」/蘭月「Night X Day」/深厨白米「うつろいゆく時、めぐる季節」/ひなた柚月「君に輝きの世界を」/ふくやまゆか子「好きになるまでアゲイン」/ハルノユウキ「ヴァリアスの紋様 ~snow leopard~」/月森しずく「最後の裏切り」/杏奈けい「キャンディ」/みみこ「触りたくてたまらない」/仁科舞子「恋舞踊」/渡会カイト「ファーストキス」/みるく「デートクラブ」/和泉チカ「ドロップ」/高橋麻耶「今夜も眠れない」/喜多方佐和「夏休み」/若森サクラ「天使の条件」/派谷ぱや「恋の化学実験」/紅林碧「新しい扉」/田中めばる「学級崩壊」/伊藤瑛「一夜の恋」/笛島あゆみ「花嫁の紋章」/宇田川愛子「檻」/山崎りんご「カンツォーネ」/村上ぴお「インスタントラブ」

E評価
おおた麻美「白い涙、透明な涙」/上月エレナ「運命は突然に」/ばんび「いつか見た夢」

選考対象外作品
空色「俺が親父で親父が俺で」/岸和田かずさ「パラソル」


◆投稿者の方へ 次回応募時のお願い◆
   次回応募の際は下記の点を、もう一度ご確認の上ご応募ください。

原稿の書式の間違い
原稿はタテ書き、20字×20行(2~3段組みでも可)にしてください。

応募用紙の項目の記入漏れ
書き忘れている項目がないかもう一度確認してください。
(特に年齢を書き忘れている方がいますのでご注意ください)

二重投稿の禁止
他の賞の結果が出ていない作品の送付は二重投稿にあたります。
結果が出たものを送付ください。

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